潜雲艇のある風景
  潜雲艇のある風景
 相変わらずというかなんというか、このサークルさんのゲームは手が込んでます。
 カットインノベルズ、立ち絵一切なしで、漫画のように次々と絵が切り替わっていくわけですが、それは作るのに時間かかりますよ。
 この演出のおかげもあって、飽きることなくあっという間に読み終わった感じです。
 
 もちろんシナリオが良くなければその演出も意味のないものになってしまうのですが、そのへんは心配なかったです。
 シナリオの漣夏海さんが、「宮崎駿の雑想ノート」とかラピュタとか、古き良き架空戦記(というか冒険)物がお好きな方はどうぞ、と仰ってますが、まさにそんな感じで。
 舞台はとても不思議な世界で、海の変わりに雲が広がっていたり、そんな世界独自の潜水艇ならぬ潜雲艇なんてものがあって、その動力に妖精を使っていたり、かなり妄想をかきたてるものになってます。
 登場人物は主に二人で、潜雲艇のスパルビエロを操縦するウィノとその部品である妖精のクシィの二人。
 いい加減な性格でタバコを手放せないおおよそ軍人らしくないウィノと、真面目なクシィですがなかなかに良いコンビで、二人のやりとりが軽快です。
 ウィノの無茶で襲われて、雲に潜って雲が晴れて、不思議な浮遊物が見えたときはちょっとした感動でした。
 確かに、このへんはラピュタを思わせますね。
 エンディングは全部で七つあり、その中でトゥルーは一つだけで、全部クリアするとおまけCGと小話あり。
 トゥルーに関しては、まさか、ウィノが意外にもピアノを習っていたなんて何気ない会話が伏線になっているとは思いませんでした。
 結構緊張感もあり、エンディングも微笑ましくて良い感じ。
 他のエンドに関しても、バッドというわけではなく、中にはこれはこれで良いんじゃないかって終わりもありました。
 
 ちょっと残念というか、贅沢をいえば、この素敵な世界をもっと味わいたかった。
 カットインノベルということで、手間がかかるから、長いお話は難しいかもしれない。
 なので、エンディングを減らして、一つのルートをここまでかってくらい書き込んで欲しかった気もします。
 …贅沢ですかね。
 
 毎回良質な作品を届けてくれるGREEN TEA MILKさんですが、次はどんなのがくるんだろう。
 また伝奇ものをやったりするのだろうか。
 そんなふうに、また次を楽しみにさせてくれたのは確かなのでした。
 
 2008/1/29 にしつかさ
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