Juvenile Graffiti -完全版-
 Juvenile Graffiti -完全版-
 
 名前の示す通り、ジュブナイルノベルです。
 舞台は現代なんですが、戦争状態にあったりなんて時代背景がちょっと特殊ですね。
 その戦争のせいで、学校が無期限休校になり、そんな学校で主人公と小春二人っきりの学校が始まるわけですが…。
 まあ、それ以上の詳しいあらすじなんかはサイトを見て頂くとして。
 
 シナリオの構成としては、春に選択肢が出て、ここでルート確定、夏秋は共通で、冬で各シナリオごとになります。
 共通部分は繰り返しプレイをしなきゃならないので、二回目以降は面倒なんですが、この共通部分が良かった。
 最初はたった二人での学校、そこから次々と仲間が増えて最終的には6人になります。
 子供が考える授業なんて、一つ一つはくだらなかったりするのだけれど、それらを皆で考えて一生懸命なのは読んでいてかなり気持ちよかったです。
 最初はむかつくばかりだった笹が、だんだん良い奴に見えてくるし。
 主人公の哲平は言っていることは立派だったり、頼りになったりするし、突っ込みも楽しかったりするけど、基本へたれだったり。
 小春は、天然なんだけど、実はちゃっかりしてるし。
 麦は、なんでもできるとんでもない女の子なんだけど、小春にべったりだったり。
 美耶は、途中で幽霊だってことを忘れそうになるくらいなじんでるし。
 日名子は、ちんまいんだけど、お姉さんぶるのが微笑ましいし。
 武藤氏は、頭が固いと思いきや、意外と話のわかる人でノリが良いし。
 魚屋と肉屋の夫婦は楽しすぎるし。
 とまあ、挙げたらキリがないんですが、登場人物も魅力的です。
 秋までの部分で好きな話といったら…、たくさんあるんだけど、やっぱりペットボトルでる来るロケットの話でしょうか。
 
 以下、それぞれのシナリオごとに感想なんぞを。
 
 稲森小春。
 いや、メインヒロインなんですよ。
 なのに、なんだろう、終わってもこのすっきりとしない気持ちは…。
 間違いなくハッピーエンドではあると思うのだけど、最後は六人で終わって欲しかった気もします。
 というか、哲平が笹に対してキレたのが、イマイチ納得できない気が…。
 あんな状況だったのだから、笹が来れなかったのは何か理由があるだろうというのは当然で、せっかく上手く纏まった後にそんなキレ方をするような奴じゃないだろう、と思ったりも。
 今までの言動を考えれば、なんか不自然な気が…。
 まあ、そのへんのことはともかくとして、この哲平の理不尽な怒りによって、皆の気持ちがバラバラになっていくわけです。
 このへんは読んでて辛かった。
 それに追い討ちをかけるように、今まで情報としてあっただけで、全く現実的ではなかった戦争に巻き込まれて、学校も壊れてしまい、そこからまた哲平と小春の二人きりの学校が始まるのですが…。
 ここからまたイマイチ納得できない展開が…。
 麦の登場で、麦の怒りは良くわかるのですが、そこからがあっけなさすぎでした…。
 ここからまたどうやって、困難を乗り越えていくのかと思ったら…。
 えー、それだけで終わっちゃうの!?
 とまあ、いきなり不満爆発な感想でしたが、ここまでだったのはこの小春シナリオだけです。
 しかし、一番期待していた、メインヒロインのシナリオだけに、書かずにはいられませんでした…。
 
 美耶。
 途中まで、哲平が笹に対して理不尽に怒るところまで、小春と同じ展開です。
 6人から、一人去り、また一人去り、最後に哲平と美耶だけが残ります。
 これはほんと辛かった。
 全員去っても、美耶とは全然友好的じゃなかったですし。
 なんだろう、なんか物足りない。
 納得のできない終わり方だったというわけではありませんが。
 
 東条日名子。
 いくらなんでも、それだけで駆け落ちめいたことまで始めることはないだろう。
 日名子さん、あっさり了承しすぎだよ、とか思わないでもなかったですが。
 まあ、でも、そんな感じで始まった二人の逃避行は、結構絶望的な状況にも関わらず、微笑ましいというかなんというか。
 しかし終わりは、あっけなく来てしまいます。
 まあ、いずれかはこうなるんだろうし、当然でしょう。
 でもなあ、ほんとシナリオ自体もあっけなく終わったような…。
 もうちょっとその後を読んでみたいなあ、そんな事を思いました。
 
 稲森麦
 個人的にかなりお気に入りのシナリオです。
 笹が麦を好きなんて展開は、唐突すぎるような納得できるような。
 いきなりの笹の引越しで、最後に麦への男らしい告白は良かったですね。
 そこから、落ち込んでいる麦に夢を与えた哲平、皆を巻き込んでの勉強やら訓練は今までの麦を考えれば、とても凄いことで。
 なんか、ありえないことの連続ですが、そのへんはきっと気にしちゃいけない。
 他のキャラのシナリオと違って非常に明るく、春夏秋をそのまま引き継いだようなノリで、非常に楽しかったです。
 しかし、笹のことがなかったかのように、いつの間にか良い雰囲気になって哲平とくっついた展開には笑いましたが。
 哲平がきっかけを与えて、麦の滅茶苦茶な勉強やら訓練やらトレーニングに真剣に付き合ったりで、不自然ではないのですけど。
 とにもかくにも、読後感が非常にすっきりとした、好みのお話でした。
 
 TRUE? NORMAL?
 だれか一人個別のENDでは無いので、ギャルゲ的にはBADになるのかもしれませんが、個人的には、これをTRUEにしたいですね。
 麦シナリオと並べて、こちらもかなりお気に入り。
 途中まで、小春、美耶と同じ展開です。
 そこから、笹との和解もあり、6人皆で卒業式です。
 これ以上の終わり方はあるでしょうか。
 哲平と小春で始めた学校が、これでもかってくらいのハッピーエンドで終わるわけですから、文句の良いようもない。
 小春エンド2としても良いかもしれませんね。
 正直小春シナリオがイマイチ納得できなかったりしたので、このシナリオの存在は大きいですな。
 
 以上、個別ごとのシナリオの感想でした。
 個人的には、シナリオごとにばらつきがあって、残念な部分もありましたが、共通部分はほんとに楽しかったし、間違いなく楽しめました。
 
 2007/8/28 にしつかさ
 
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