Fate/ZeroC 煉獄の炎
 ああ、終わってしまった…。
 奈須さんじゃないオフィシャルってどうなのよ、なんて思ったのは過去の話。
 本当に楽しませてもらいました。
 私が良く「至福の時」なんて使いますが、ここでも使わせてもらいます。
 
 この最終回、怒涛の展開とはまさにこのこと。
 本当に、長さを全く感じることなく、あっという間に読み終わった感じです。
 次から次へと切り替わる状況に、着いていくのがやっとでしたよ。
 
 まず読み始めると、一見今までの流れと関係なような話で始まります。
 ケリィってだれだよ? とかそんな感じで。
 それが、実は、切嗣の過去の悲劇、切嗣が冷酷に、残酷に、容赦なく正義に徹するようになる、始まりのお話でした。
 初っ端から飛ばしてます。
 そして、アイリとの別れ。
 かと思ったら、今度は、舞弥の死。
 いろいろと容赦がない展開です。
 ちょっときついなあ、と思いながら読み進めてました。
 でも、きつかろうが、なんだろうが、読み進めるのをとめられないんですよね。
 
 で、虚淵玄さんの遊び心、セイバーがバイクに乗って、大暴れ…。
 基本的に、今までも、今回も、苛められっぱなしなのは変わらないセイバー。
 このくらいの見せ場はあっても良い、というか、燃えました。
 というか、ここで、ライダーとの対決があって、セイバーが一応の勝利を収めるのですが、このくらいあっても良いですよね…。
 
 前も書いたことがあるように、世の人気に反して、ライダーとウェイバーのコンビ、それほど好きではありませんでした。
 しかし、今回ばかりは、その個人的な好みを覆すには十分でした。
 いや、というか、このお話、主人公切嗣だよ、ウェイバー格好良すぎだよ!
 ライダーの散り様も見事でした。
 それに、最初から本気で戦う油断のないギル様も格好良すぎ。
 というかギル様強すぎ…。
 
 セイバー対バーサーカー。
 まさかバーサーカーの正体が彼だったなんて、予想もしてませんでした。
 まあ、発想の貧困な私としては、セイバーへの固執からして、同じ時代の関係じゃないかとくらいしか予想してなかったので、合ってるといば合っているというような情けない状態。
 で、また、こんな状況で、セイバーは全力で戦えず、まさにボコボコ…。
 なんとも辛い勝利です。
 
 そして、切嗣対言峰。
 文章だけでここまで燃える戦闘シーンってのも凄い。
 いや、なんだろう、言葉で語るの野暮ってのは分かるんですが、鳥肌ものでした。
 
 聖杯戦争も佳境、切嗣と言峰の戦いは泥によって中断、聖杯の本質を知った切嗣は、なんの説明する間もなく聖杯破壊命令。
 ギル様もびっくりなこの状況で、セイバーは最後まで残りつつも、なんとも後味の悪い結末。
 そして、セイバーは、あの時間に戻って、一人の少女になって謝り続けて、次に呼び出されるまで待ち続ける…。
 そんな、バッドエンド…。
 ほんと、この第四回聖杯戦争、セイバーほとんど良いとこなし、というか、まともに戦わせてもらえませんでしたね…。
 
 さて、ここまで意図的に語らなかった、間桐関係。
 言わずもがな、私は桜大好きです。
 これは、語らずにはいられない。
 
 なんつーか、言峰ひどすぎ。
 言峰自ら殺したのに、雁夜が殺したように見せて、その現場を葵に見せる…。
 そして、ぼろぼろだった体に更に追い討ちをかけるように、葵の糾弾を受けて、最後まで残っていた何かが壊れて気づいたら葵を…。
 なんというか、ここまで酷いこと書きますか。
 せめて、みっともなくても良いから、弁明の時間を…ってそんなのもなく。
 幼馴染好きな私としては、ちょっとは葵が理解を示してくれる言動があってもとか甘い考えも持つも、最後まで容赦なく。
 魔術師の世界において、雁夜みたいな優しい人間は、簡単に憎しみで壊れちゃうから、きっと雁夜は関わっちゃいけなかったんですよね。
 雁夜へは、これだけで終わらず、物語も終わりが見えてきたところで更に追い討ちが。
 いやいや、もう勘弁して…。
 まあ、妄想の中でも、桜や葵を救ったことになってて、それで逝けたのだから良かったのか。
 結局は、桜の為を思ってやったことが、誰にも理解されず、桜に間桐家の恐怖を再認識させただけの、雁夜だけの自己満足という最悪の結末。
 そこでの桜の態度、これまた、彼女の置かれた状況の悲惨さが伺えます。
 あるのは、蟲爺に逆らってはいけないという恐怖だけ。
 もうこれで、桜はいろんな物を押さえ込んで、恐怖と苦痛の中で、それはもう強固なまでに心を閉ざして暗闇の中で生きていくんですね。
 士郎と出会ってそれをこじ開けられるまで。
 もう、桜絶対に幸せになってくれよ。
 
 セイバーにも桜にもこうやって救いはなかったけど、凛の状況も相当なもの。
 父親は死に、母親はすでに壊れた状態。
 というか、そのアゾット剣、時臣殺したやつって、どんだけ外道なんだ言峰…。
 
 今回読んで強く思ったのは、セイバーも凛も桜も皆将来幸せになってくれ、ということ。
 Fate/stay nightでは、それぞれに形は違えどハッピーエンドが用意されているわけですが、もう凛GOODエンドで良いよ。
 皆で仲良く暮らそうよ…。
 そんなことをちょっと思ったのでした。
 
 完璧なバッドエンド、物語はFate/stay nightへ…。
 もう、結末は分かっているから辛い展開も、苦痛にはなりませんでした。
 それでも、雁夜のことを始め、辛いものは辛かった。
 でも、本当に読ませられました。
 Fate/stay nightがあったからこその、このFate/zero、TYPE-MOON、新作はまだですか…。
 
 2008/1/18 にしつかさ
 
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